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5月、マレーシア。街のあちこちでは、ドリアンを路上で販売している。自家用車のトランクにドリアンを積んだ人や大きなトラックを横付けし、山のようなドリアンを売りさばいている人たちもいる。買いに来る客も農家のが穫する時に使うような大きなプラスティックのカゴをいくつも持ってきて、そこにドリアンを詰めて買って帰るのだ。売い手も買い手もドリアンの扱いに慣れているらしく、トゲがあるのに素手で取り扱いしているのだ。見ているこっちの方が、痛くなる。
値段もキロ幾らの量り売り。ドリアン1個の重さで値段がきまる。つまり、最低でも一つは買わないといけないのだ。食べたことのない味と独特の匂いに買おうか迷っていると、隣にいた中国系のおじさんが日本語で「ドリアンは、おいしい。だから、たくさん食べなさい」としつこいぐらいに勧めてくる。本当は、一口だけでよかったのだが、丸ごと1つ買わななきゃダメとなかなか譲ってくれない。それじゃあと小さめのドリアンを選んでもらう。
店の奥から「こっちへこい」と手招きされている。店の後ろには、おそらく店の人たちが使っているであろう椅子が3つ置いてあった。さっき買ったドリアンを器用に包丁で割ってくれる。白くてつやつやとした実を包丁で取り出し、手渡される。その実は、ヌメヌメしてモンキーバナナを太くしたぐらいの大きさだった。思い切って、その実を食べてみた。ドリアン独特の匂いが口の中に充満し、少し青臭く、甘く、大きな種の周りについた実のドロッとした食感は、これまで食べたことのない味である。取り出した実1つと半分を食べたが、口の中がくどくなってしまい、これ以上食べる気にはなれなかった。
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